「品質保証って出世しづらいのでは?」
品質部門は成果が見えづらく、トラブル時の責任も重くのしかかるため、他部門に比べて評価されにくいのが実情です。
しかし実際には、品質保証として出世している人も多く存在します。
違いが出る原因は「働き方」「環境」そして「会社選び」です。
本記事では、製造業の品質保証部門で出世が難しいと言われる理由から、出世している人に共通する行動、昇進しやすい企業の見つけ方までを詳しく解説します。
- 品質保証が出世しにくい理由と対策
- 出世する人の行動とスキルの違い
- キャリアアップできる企業に出会う方法
僕自身も、キャリアアップに悩みながらも品質保証へ転職し、一般職で年収800万円を達成しました。
同じ悩みを持つ方に向けて、リアルな視点でお届けします。
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なぜ品質保証部が出世できないと思われるのか?

品質保証部は製造業にとって欠かせない部署ですが、他の部署と比べて「出世しにくい」と思われることがあります。
なぜ品質保証部が出世しにくいと思われがちなのか、その理由を解説します。
目に見えた「成果」がわかりにくい

品質保証部の仕事は、製品の品質を守ることです。
これは非常に重要な役割ですが、営業部や製造部のように「売上を増やした」や「生産量を上げた」といった明確な数字が出にくいという特徴があります。
品質保証部の仕事は、問題が起こらないように見えないところで努力することが多く、そのためどれくらい貢献したかが伝わりにくいのです。
何も問題が起こらないのが一番良い結果ですが、それが「何もしていない」と誤解されることも…
これが、出世しにくいと感じさせる1つの理由です。
トラブルが起きると責任を追及されやすい

品質保証部は、製品に問題が発生しないように事前に防ぐ役割を担っています。
しかし、もし何か品質の問題が起きてしまった場合、真っ先に品質保証部がその原因を追及されることが多いです。
たとえば、不良品が出たり、製品に問題があったりすると、「品質保証部がしっかりチェックしていなかったのでは?」と疑われることがあります。
このように、トラブルが発生したときに責任を取る立場になることが多く、仕事の大変さが目立つ一方で、プラスの評価が得にくいことが出世を難しくする要因になっているのです。
専門知識が深すぎて視野が狭くなる

品質保証や品質管理の仕事には、製品や部品についての深い専門知識が必要です。
これは素晴らしいスキルなのですが、専門分野に特化しすぎると他の仕事に対する知識や経験が不足し、出世の道が狭くなることもあります。
上の役職に昇進するためには、広い視野を持ち、会社全体の運営に関わる力が求められます。
しかし、品質を守る仕事は細かい部分に集中するので、出世が難しいと思われてしまうのです。
なお、「品質保証は無能と思われがち」という声については、以下の記事で詳しく解説しています。
👉 品質保証は必要ない?無能と思われる理由と製造業で活躍するための改善策を完全解説
品質保証で出世するために必要なこと
品質保証部で出世するためには、ただ仕事をこなすだけではいけません。
ここでは、出世するのに重要なポイントを紹介します。
成果を数値や事例で「見える化」する

「不具合ゼロ」や「クレーム未然防止」など、目に見えにくい成果を、数値や報告書でしっかりと可視化することが評価の第一歩です。
たとえば、
- 月ごとの不良率の推移と改善効果
- 監査結果のフィードバックから得た改善実績
- 再発防止策の立案と結果 など
こうしたデータを定期的にまとめて上層部へ共有すれば、品質保証の価値を数字で伝えることができます
他部署と連携して品質を強化する

他の人よりも一歩前に進むには、他の部署との連携も非常に重要です。
品質保証の仕事は、製造部や開発部など多くの部署と関わることが多いですが、ただ指示を受けるだけでなく、自分から積極的に他部署とコミュニケーションを取ることで、会社全体に貢献する姿勢をアピールできます。
たとえば、製造部との定期的な会議に参加し、品質向上のためのアイデアを提案したり、開発部門と協力して製品設計の段階から品質問題を防ぐ取り組みを行うことが効果的です。
こうした活動を通じて、社内での存在感を高め、信頼される人物になることで、出世のチャンスが広がります。
スキルアップを継続する

品質保証部で出世するために大切なことの1つがスキルを身につけていくことです。
特に、品質保証の仕事では、製品に関するルールや規格を理解していることが重要です。
たとえば、ISO 9001のような品質管理の資格を持っていれば、会社での評価も上がりやすくなります。
- ISO(国際標準化機構)
世界中の国々が同じ基準で製品やサービスを作るための国際的なルールを作る組織。たとえば、ISO 9001という規格は、会社がしっかりとした品質管理を行っているかどうかを確認するためのルール。 - JIS(日本産業規格)
日本国内で使われる製品やサービスの基準を定めたルール。日本の市場で品質を守るために使われています。
また、海外へ製品を輸出する場合、その国で認められた基準や規制を守る必要があります。
そのルールを知らずに仕事をしてしまうと、製品が市場に出せなくなったり、トラブルが起きる可能性も。

このような製品ルールや規制についても学び、自分のスキルを広げることで、出世につなげることができます。
品質保証として収入を上げたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
👉 【最新版】品質保証の年収は本当に低い?製造業で収入を上げる方法と転職成功の秘訣
品質保証で出世するために会社選びが重要な理由

どれほど頑張りを示せても、会社が品質を重視しなければ意味がありません。
「どの会社で働くか」がとても重要です。
多くの人が「品質保証部は評価されにくい」と感じる理由は、実は会社ごとに品質保証の役割や評価が違うことにも関係しています。同じ品質保証の仕事でも、ある会社では高く評価され、別の会社では出世しにくいことがあります。
新卒で入社した機械メーカーの品質保証部門は4名しかおらず、クレーム費用の処理を淡々とこなすだけの部署でした。しかし、転職後の品質保証部門は60名以上おり、課長職でも年収1000万円を超えるなど、品質を重視した会社でした。
こうした経験から断言できるのは、「出世できるかどうかは、本人の努力だけでなく“どの会社にいるか”が非常に大きく影響する」ということです。
今の職場で頑張り続けるのが正解なのか、それとも別の環境でキャリアアップを狙うべきか、一度立ち止まって考えることが重要です。
昇進しやすい環境を見極めるには、転職エージェントの活用も有効です。
特に製造業に強いサービスでは、品質保証が評価されやすい企業や非公開求人を提案してもらえることもあります。
👉 【厳選】製造業の品質保証・品質管理におすすめな転職エージェント3選
品質保証や品質管理で出世しやすい企業の見つけ方
現在の職場で将来的な昇進が見込めない場合は、自分の実力を正当に評価してくれる会社を見つけることが、キャリアアップへの近道です。
ここでは、品質保証として出世しやすい企業を見極めるための具体的なポイントをご紹介します。
自分のスキルに合った企業を見極める
自分のスキルに合った企業を見つけることが大切です。
品質保証の仕事にもさまざまな種類があるのでしっかり見極めましょう。
たとえば、
- 製品の不良を見つけることが得意な人
- 品質管理のルール作りが得意な人
- 問題解決に強い人 など
それぞれに得意な分野があります。
転職先を探すときは、あなたの得意なスキルが活かせる企業を選ぶようにしましょう。
もし問題解決が得意なら、トラブルが多い製造業の企業でそのスキルが役立ちます。
自分がどの分野で貢献できるかをよく考え、それに合った企業を選ぶことがポイントです。
企業の評判や働き方もチェックする
転職先を選ぶときには、企業の評判や働き方も重要なポイントです。
どんなに自分に合ったスキルを活かせる企業でも、働き方が合わないと長く続けるのは難しいですよね。
口コミサイトを活用して、企業の評判や働きやすさを確認しておきましょう。
また、企業がどれだけ社員を大切にしているか、出世の機会が公平に与えられているかなども重要です。
品質保証に関わる仕事は責任が重いので、サポート体制や福利厚生が充実している企業を選ぶことも大切です。
求人選びに自信がない人は専門の転職エージェントを試してみてください。
キャリアアップを支援してくれる転職エージェントを活用しよう
「出世しやすい企業に出会いたい」と考えても、求人サイトや企業のホームページだけでは、実際の職場環境や評価制度までは見えてきません。
そこで役立つのが、製造業に特化した転職エージェントの存在です。品質保証職に精通したキャリアアドバイザーであれば、単なる求人紹介にとどまらず、あなたのキャリアアップを支援する提案をしてくれます。
出世しやすい企業の特徴を熟知している
品質保証がどのように評価されるかは企業ごとに大きく異なります。
たとえば、「提案型の改善活動を重視する会社」や「品質部門を経営に近い位置で運用している会社」など、キャリアアップしやすい企業は限られます。
製造業に強いエージェントであれば、過去の転職者データや企業との深いつながりをもとに、そういった“出世につながる環境”を把握しています。
優良企業や非公開求人に出会える
エージェントが扱う非公開求人の中には、
- 品質保証のマネジメント候補
- 年収700万円以上の品質リーダー職
- 中堅企業での課長ポジション
など、一般には出回らない高待遇のポジションが含まれています。
これらは社内でも一定の裁量を持てる役職が多く、まさに「キャリアアップを前提とした転職」にふさわしい内容です。
「地元で出世したい」人にもおすすめ
地方での転職を希望する方にとっても、地元密着型の企業とつながりのあるエージェントは非常に頼りになります。
実際、筆者も関西エリアから東海エリアへの転職時、地元メーカーの非公開求人を紹介してもらい、品質保証職に就くことができました。
製造業で品質保証としてキャリアアップを目指すなら、信頼できるエージェントに相談してみる価値は十分にあります。
以下の記事では、品質保証・品質管理に強い転職エージェントを厳選して紹介しています。
👉 【厳選】製造業の品質保証・品質管理におすすめな転職エージェント3選
まとめ|今の会社で出世できないなら、環境を変えるという選択肢も
品質保証は成果が見えにくく、責任ばかりが重くのしかかる職種として、どうしても「出世しにくい」という印象を持たれがちです。
しかし、実際にキャリアを積み上げ、評価されている人も確かに存在します。
出世を実現する人に共通するのは、
- 数値や実績を見える形で伝える工夫
- 他部署と連携し、全体を見据えた行動
- 経営視点を意識したスキルアップ
といった「自分の価値を正しく伝える力」です。
とはいえ、どれだけ頑張っても、評価制度や組織体制に限界がある会社では、努力が報われにくいのも事実です。
だからこそ、
✅ 「この会社で出世できるか?」
✅ 「今のまま10年後に後悔しないか?」
そんな問いを一度、自分自身に投げかけてみてください。
筆者自身も、今の会社に見切りをつけたことで、年収と役職を同時にステップアップできました。
環境を変えることで、あなたの可能性はもっと広がります。
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