- 調達部門って出世できるの?
- 出世するにはどうすればいいの?
- 実際に経験した人の話を聞きたい
調達・購買部門は発注や検収の処理をするだけでは出世できず、コストダウンしても必ず評価されるわけではありません。
なぜなら、調達部門自体を低く評価している企業が少なくないから。
本記事では実体験をもとに調達・購買部門で出世できる方法を解説します。
- 英語や交渉力のスキルを磨こう
- 発注等の処理だけでは出世しにくい
- 企業によって購買の評価が全然違う
\無料のメーカー専門サービス/
リンクを開くとまとめ記事が表示されます
なぜ調達・購買部門は出世できないと言われるのか
調達部や購買部は「出世できない」と言われるのはなぜか、理由について詳しく解説していきます。
調達部は目立ちにくいポジション
(引用:Yahoo!知恵袋)
調達部の仕事は、生産に必要なものを安く効率的に仕入れることで、会社の利益に貢献しています。
しかし、その貢献度があまり目に見えづらいのは「部品や材料は揃っていて当たり前」と感じている人がほとんどだから。
〜目立ちやすさの違い〜
《営業部》
受注した案件は会社の売上として成果がすぐに数字で表れる
《調達部》
コスト削減や安定供給は、売り上げほどの派手な数字では表しにくい
他の部門に比べて評価されにくく、「調達部は出世しづらい」と感じることがあります。
成果がわかりにくい仕事
(参照:X)
調達部の仕事は、安定した仕入れ先を確保し、必要な資材や部品を予定通りに揃えることです。
そのため、毎日同じような事務作業が続き、新しい大きな成果を上げるチャンスが少ないと考えられてしまいます。
〜成果の違い〜
《営業部》
新しい顧客からの受注
大きな金額の契約
《調達部》
コストダウン
納期通りのスケジュール管理
こうした日常の積み重ねが「目立たない仕事」と見なされ、出世できないと感じられてしまうのです。
調達・購買部門の仕事を続けるべき理由
調達部や購買部門の仕事が出世に繋がりにくく諦める人もいますが、実際にはこの分野でキャリアを続けることに多くのメリットがあります。
調達・購買部門の役割は会社に不可欠
調達・購買部門は、会社の利益を左右する重要な役割を担っています。
製品を作るために必要な材料や部品を適切なコストで確保し、品質や納期を守ることが、会社全体の業績に直接影響します。
売り上げが伸びなくてもコストダウンできれば利益を確保できるため、購買部は重要な部門なのです。
調達スキルはどのメーカーでも必要とされる
調達・購買部門の仕事で身につけたスキルは、どのメーカーでも求められるものです。
交渉力やコスト管理、サプライヤーとの関係構築は、多くの企業にとってぜひ欲しい能力です。
さらに、サプライチェーンの管理やコスト削減が重要視される製造業では、経験豊富な調達担当者が重宝されます。
キャリアの専門性を高められる
調達・購買部門でのキャリアを続けることで、専門性を高めることができます。
専門性が高まると、市場価値も上がりますし、より高いポジションや待遇で仕事をするチャンスが増えます。
たとえば、サプライチェーン全体の最適化を担当したり、グローバルな仕入れ先を管理する役割に進むなど、出世する機会が増えていきます。
他の部署との連携で広い視野が得られる
調達・購買部門の仕事は、社内の他部署と連携することが多いです。
たとえば、製造部門とは生産スケジュール、品質保証部門とは品質、営業部門とはコスト管理を打ち合わせはことが多いです。
こうした多くの部署との連携を通じて、会社全体の流れを把握することができ、広い視野を持つことができるようになります。
調達・購買部門で出世する方法
業務ごとの出世ポイント
調達部門の業務を3つに分けて解説します。
①価格交渉の業務
調達部門のメイン業務「価格交渉」について、評価ポイントは下記の通りです。
- 取引先も納得できる交渉であること
- 値上げの理由を上司へ説明できること
- 海外取引の場合は英語が使えること
取引先も納得できる交渉が必要です。
たとえば発注量を増やすから単価を安くしてほしいというのがメジャーな交渉方法です。
特に専門性の高い部品については、取引先からの供給が止まってしまうのは避けなければなりません。
近年では資材価格の上昇によって値上げする場合があるので、上司に相談する前に、
- 「どこで生産されているか」
- 「人件費はどれくらいか」
- 「為替はいくらくらいなのか」
を徹底的に調べ、価格上昇分が妥当かどうか判断しましょう。
適切に対応しないと評価されなくなってしまいます。
- 見積額のまま発注処理する人
- 取引先に対して感情的に値下げ交渉する人
- なぜか取引先と揉めてしまう人
②納期調整の業務
取引先との納期調整も調達部の重要な業務です。自社の生産工程が変更になった場合、納期調整が必要になります。
在庫を抱えすぎるとスペースの問題が出てきますので、なるべく在庫を抱えこまない納期に設定されることが多いです。
評価ポイントは下記の通り。
- 取引先と納期確認を確実に行うこと
- 工程変更後の納期を自分で考えること
- 情勢を見て納期に影響ないかフォローすること
取引先への納期連絡は比較的簡単ですが、合意することが大事です。「連絡していたのに部品が入ってこない!」なんてことが無いように注意したいです。
- 納期を取引先に伝えるだけで終わる
- 日頃からサプライヤーと情報交換しない
- 工程変更されても連絡があるまで受け身
③新規開拓の業務
既存の取引先との業務だけでなく、新規取引先の開拓を行う業務もあります。大手企業であればそれだけを担当するグループもあります。
開拓するにあたり、その会社の力量を判断しなければなりません。
評価ポイントは下記の通り。
- 財務状況を見て安定供給できるか確認
- 品質確保できそうな生産現場か確認
- 他部門と協力して取引先の評価をする
よくある失敗が「価格だけで決定」することです。
調達部なのでもちろんコストダウンが必要ですが、不具合品が頻発することは避けなければなりません。
他の部門と協力し生産工程や品質管理の項目をチェックしてください。
- 価格だけで取引先を決定する
- 独断で判断する
- 生産現場を見ない
成果を見える形で示す
調達・購買部門では、コスト削減の成果が会社の利益に直接貢献しますが、それを数字やデータで見える形にして報告することが大切です。
たとえば、価格交渉の成果や仕入れ先の改善による生産コストの削減など、具体的に説明して上司や経営陣にしっかりアピールできます。
結果をみえる化することで、自分の仕事がどれほど会社に貢献しているかを理解してもらいやすくなります。
交渉力やコミュニケーション力を磨く
調達・購買部門での仕事は、サプライヤーや社内の他部署との調整が多く、交渉力やコミュニケーション力が大事です。
複雑な取引や難しい交渉でも成果を上げると、会社にとって欠かせない存在となります。
また、社内でのコミュニケーションも重要です。
上司や同僚との良好な関係を築きつつ、信頼される人物になることで、キャリアアップが見えてくるでしょう。
グローバルな視野を持つ
調達・購買部門の仕事は、海外のサプライヤーとも関わる機会があります。
特に製造業では、外国メーカーを管理する能力が求められることが多いため、グローバルな視野を持つことが大切です。
語学力を高めたり、海外の取引先と積極的に関わる経験を増やしたりすることで、取引をスムーズに進められます。
こうした対応力のある人材は、企業にとって非常に貴重な存在となり、昇進のチャンスが増えます。
最新の調達ツールや技術を学ぶ
調達・購買の分野では、デジタル技術の進化に伴って、新しいツールやシステムが導入されています。
たとえば、自動化技術を活用した調達システムや、データ分析によるサプライチェーンの最適化などが進んでいます。
(引用:https://www.aspicjapan.org/asu/article/4477)
こうした技術を積極的に学び、業務に取り入れることで、効率的に仕事を進められます。
自分のスキルをアップデートし続け、時代に合わせた仕事ができることをアピールすることが大切です。
調達を重視する会社へ転職する
もし、いまの会社で昇進のチャンスがないと感じている場合は、転職するのも1つの選択肢です。
ちゃんとした会社なら、あなたのスキルや経験を正しく評価し、より良い環境でキャリアを築くことができます。
現在の職場でのキャリアアップが難しいと感じる場合、正しく転職することで新たなチャンスを掴めます。
調達・購買部で転職した方がいいケース
調達・購買部でキャリアを続けるメリットは多いですが、転職を考えた方がいいケースがあります。
評価や昇進の機会が少ない
現在の会社で自分の努力や成果が正当に評価されていないと感じる場合、転職を検討するべきです。
〜成果の例〜
- 10万円コストダウンできた
- 納期遅れを0にした
このような成果を出しても会社が評価しないことがあります。
給料やボーナスなどに反映されないなら、その会社で働き続けるべきではありません。
新卒で入社した会社では、1000万以上もコストダウンしたのに評価が全く上がりませんでした。
調達・購買部の仕事をしっかり理解している企業では、コストダウンの仕事がきちんと評価されます。
ワークライフバランスが悪い
調達・購買部の仕事は、取引先との交渉や納期の調整など、タイトなスケジュールで動くことも多いです。
これにより、残業が多くなったりプライベートの時間が確保できない場合があります。
ある会社では夜中2時まで仕事をしても手当がつかなかったなんてことも…
他の企業では同じ調達の仕事でも、「テレワーク」や「時短勤務」など、より良い労働環境や柔軟な働き方ができることがあります。
社風や職場が合わない
社風や価値観が合わないと感じる場合も、転職を考える1つのタイミングです。
たとえば、上司や同僚とのコミュニケーションがスムーズでなかったり、組織内のルールや方針が不透明であったりすると、ストレスを感じます。
(引用:エン・ジャパン)
調達部の仕事は多くの部署と連携するため、コミュニケーションのしやすさは非常に重要です。
自分の価値観や働き方に合った企業で働くことで、ストレスも軽減され、長期的に充実したキャリアを築くことができます。
製造業に特化した転職エージェントのメリット
転職を考えるとき、リクルートエージェントやJACリクルートメントのような一般的な転職エージェントだけでなく、製造業に特化した転職エージェントも利用することで大きなメリットがあります。
ここでは、そのメリットを具体的に紹介します。
製造業に詳しい専門アドバイザーがいる
専門の転職エージェントには、製造業界に詳しいアドバイザーが多く在籍しています。
製造業の知識が深いアドバイザーは、業界特有の仕事内容やスキルの重要性を理解しているため、あなたの強みや経験を正しく評価してくれます。
- どの企業に経験が活かせそうか
- どんな仕事ならスキルが使えるか
- どんな職場ならイキイキ働けるか
あなたの経験がどうやって活かせるのか、適切なアドバイスを受けられます。
また、業界の動向や、どの分野で人材が不足しているのかなど、最新の市場情報も知っているため、効率よく転職活動ができます。
製造業界の豊富な求人情報が集まっている
製造業に特化したエージェントは、製造業界の企業と深い関係があるので、製造業に特化した豊富な求人情報を持っています。
一般的なエージェントでは見つけられない、製造業界に特有の求人が多く掲載されているため、仕事を探している人にとって選択肢が広がります。
僕が転職活動をはじめて1回目の面談時には20社以上の求人をいただきました。
特に、調達・購買部門など、専門的なポジションの求人情報も多く取り扱っているため、自分に合った職場やポジションを見つけやすくなります。
製造業界の企業との太いパイプがある
製造業特化型のエージェントは、製造業界の企業との強いコネクションがあります。
企業の採用担当者と日頃から連絡を取り合うような関係なので、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。
転職活動をはじめて2か月以内には内定をもらうことができました。通常は面接が2,3回あるはずだったのに1回だけで済んだのでかなり楽でしたね。
また、エージェントが企業の文化や働き方、経営方針をよく理解しているため、企業とのマッチングがスムーズに進みやすいという利点もあります。
エージェントを通じて応募する場合、企業側がエージェントに対して信頼があるので、選考がサクサク進むことが多いです。
キャリアアップや専門性の高いポジションを目指しやすい
製造業特化型のエージェントは、キャリアアップを目指す人にも最適です。
製造業界でのキャリアパスを理解してるので、どのようなスキルや経験が昇進に役立つのか、的確なアドバイスを提供してくれます。
特に、調達・購買部門のような専門的なポジションでは、その分野でのキャリア形成について相談できることが大きなメリットです。
また、製造業においてはグローバルな展開を行う企業も多いため、国際的なキャリアを考えている人にとっても、エージェントを通じて自分のスキルを最大限に活かせる企業と出会うチャンスが増えます。
面接対策や履歴書作成のサポートが充実
転職エージェントでは、面接対策や履歴書・職務経歴書の作成支援が充実しているのも大きなメリットです。
特に、製造業界特化型のエージェントでは、製造業界の採用トレンドや企業が重視するポイントを熟知しているため、より効果的な面接準備や書類作成ができます。
- 転職先の企業を志望した理由
- なぜ調達・購買部門を希望するのか
- 転職先でどう活躍したいか
企業へどうアピールすれば良いのか、具体的なアドバイスを受けることで好印象を与えやすくなります。
職務経歴書や履歴書の書き方を一から教えてもらったり、面接会場の雰囲気や、質問される内容を事前に教えてもらうことができました。
エージェントのサポートを活用すれば、より高い成功率で転職を成功させることができます。
ミスマッチを防ぐことができる
製造業に特化したエージェントは、あなたと企業のどちらのミスマッチも防ぐ役割があります。
企業の仕事内容や職場環境、求められるスキルを詳しく把握しているので、あなたの希望に合った企業と出会いやすくなります。
入社後に「思っていたのと違う…」というギャップを減らすことができるのです。
希望する部署があっても「この部署は激務すぎるから辞めておいたほうがいい」と事前に教えてもらえました。
このように製造業に特化した転職エージェントは、製造業界での転職を考える人にとって多くのメリットがあります。
専門的な知識を持ったアドバイザーや、豊富な求人情報、企業との強いコネクションを活用して、自分に合った転職先を見つけましょう。
まとめ
- 英語や交渉力のスキルを磨こう
- 発注等の処理だけでは出世しにくい
- 企業によって購買の評価が全然違う
以上が調達部門で出世するために重要なポイントです。
今の会社で出世が見込めないならぜひ転職を検討してみましょう。
\無料のメーカー専門サービス/
リンクを開くとまとめ記事が表示されます
【必見】営業から調達への未経験転職で絶対知って欲しいこと4選
【徹底解説】調達(購買)部門はいらない?必要な理由3選を解説
【保存版】購買(調達)部門の魅力的なやりがいを経験者が解説
なぜ購買(調達)部門は花形なのか経験者が業務内容を解説