- 営業から調達へ転職したい!
- どんな仕事の違いがあるの?
- 実際に転職した人の話が知りたい
なぜならお客様の立場を経験しているから。
この記事では筆者の体験談をもとに営業から調達へ転職するときのポイントを解説しています。
『転職してもちゃんと仕事ができるのかな?』という不安を解消しましょう。
- 調達部では確実な処理が求められる
- 原価アップの原因を細かく調査
- 営業の立場を理解して交渉できる
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購買と営業の仕事の違いを比較
調達と営業は一見似たスキルが求められる職種ですが、業務内容や求められる能力には大きな違いがあります。
営業 | 調達・購買 | |
業務 内容 |
・価格交渉 ・クレーム窓口 ・工場へフィードバック |
・取引先の選定 ・価格交渉 ・納期調整 |
求められる スキル |
・提案力 ・交渉力 ・社交性 |
・データ分析力 ・QCD管理能力 ・事務処理能力 |
具体的に違いを見ていきましょう。
営業職との具体的な違い
営業部門での仕事は調達部門と次のような違いがあります。
業務の目的の違い
営業職は「自社の製品やサービスを販売すること」が主な目的であるのに対し、調達職は「部品や素材を安く確実に仕入れること」が目的です。
営業は収益の拡大、調達はコストの削減にフォーカスしています。
仕事のスタイルの違い
営業職は外回りや顧客訪問など社外へ出る機会がよくあります。
しかし、調達職はオフィス内での業務が中心です。
特にデスクワークの割合が高く、メール・電話でのやり取りや・システム処理が多くを占めます。
スキルの違い
営業職では、プレゼン能力・利益のでる交渉力・不具合発生時のクレーム対応力などが必要です。
一方、調達職ではなるべく安く購入するためのデータ分析や価格交渉のスキルが求められます。
評価基準の違い
営業職は「売上」や「新規顧客数」などの数値で成果が測られるのに対し、調達職は「コスト削減額」や「トラブルの未然防止」などが評価ポイントになります。
他にも新規取引先を発見したり、納期遅れを発生させないことも大切です。
調達・購買の主な仕事内容
調達部門の主な業務を3つご紹介します。
- 取引先の選定
- 価格交渉
- 納期調整
1つずつ見ていきましょう。
取引先の選定
調達職では、会社に必要な部品や資材を購入するため、仕入れ先を選ぶ業務があります。
- 品質の安定さ
- 適正な価格
- 納期を守る
- 会社の規模や経営の安定性
相見積もりや市場調査を通じて、価格・品質・納期のバランスが取れた取引先を選定するのが重要な役割です。
価格交渉
コスト削減は利益に直結するため大切な仕事です。
購買・調達部の仕事では取引先との交渉を行い、なるべく安く買えるようにします。
- ボリュームディスカウントする
- 仕様を変更する
- 複数の取引先から相見積もりをとる
予算に合わせた価格を実現することが求められます。
納期調整
生産現場の工程に合わせて、納期調整を行うのも購買部門の大切な仕事です。
たとえば、生産が2週間早まったら、部品の納入時期も早めなければいけません。
生産を守るために取引先と納期を調整する必要があります。
調達・購買部門で求められるスキル
特に求められる能力は次の3つです。
データ分析力
なるべく安く部品を購入するため、データ分析力は調達部門では欠かせません。
たとえば、過去の取引金額と比べることで、単価が上がっていないか仕様が変更されていないかをチェックできます。
こうした分析を行うことで利益アップに直結するため、調達・購買部門では、データを活用する必要があります。
QCD管理能力
調達・購買部の基本方針は、QCDのバランスを取ることです。
- Q:Quality(品質)
- C:Cost(コスト)
- D:Delivery(納期)
この3つの要素を管理することで、品質が良く安いものを納期通りに購入でき、製造プロセスを適切に進め利益も確保できるのです。
事務処理能力
調達業務にはいろんな事務作業があります。
- 見積書の確認
- 契約書の作成
- 発注書の処理
- 検収の処理 など
正確さやスピードを求められる作業が多いため、基本的なPCスキルも必要です。
営業から調達へ転職するメリット
調達職への転職は、営業職で培ったスキルをフル活用しつつ、新たなキャリアの道を切り開く絶好のチャンスです。
その大きなメリットを見ていきましょう。
即戦力になれる
営業で身についた交渉力や調整力は、調達業務でそのまま活用できます。
特に価格交渉や納期調整など、仕入れ先とのやり取りで営業経験が役立つ場面は多く、即戦力として活躍可能です。
また、顧客心理を理解しているため、取引先との信頼関係を築きやすいのも大きな強みです。
キャリアの幅が広がる
調達職に転職することで、業務内容が多岐にわたり、キャリアの選択肢が増えます。
特にコスト管理や利益確保の視点を持つ経験は、確実にスキルのレベルアップにつながります。
製造・開発部門とより密接に連携することになるので、製造プロセスの理解も深めることができます。
長期的なスキルが身につく
調達職では、コスト管理能力や市場分析力など、キャリアに役立つスキルが身につきます。
特に、品質・コスト・納期(QCD)をバランスよく管理するスキルは、製造業全般で重宝されるため、どんな職場でも安定したキャリア形成ができます。
営業から調達へ転職するデメリット
転職前に調達・購買部のデメリットも確認しておきましょう。
単調さを感じやすい
調達職では、他部門に比べデスクワーク中心の事務作業が多いです。
- 見積もり確認
- 納期管理
- 注文書作成
- 検収処理 など
営業職で外回りや顧客との交渉に忙しかった人にとっては、動きが少ない業務内容に物足りなさを感じる可能性があります。
複数の書類を正確に処理する必要があるため、地道な作業が得意でないとストレスになることもあります。
成果が見えづらい
営業職では売り上げ金額が直接評価されますが、調達職の成果はコスト削減や納期遅れを防ぐといった、個人の貢献が目立ちにくい仕事です。
たとえば、コスト交渉に成功しても、社内での評価が「当然の仕事」として受け止められることも少なくありません。
このため、努力や成果を自分からアピールしないと評価されにくい傾向があります。
>>調達・購買部門は出世できない?成功ポイントを解説した記事はこちら
トラブル対応の負担が重い
調達・購買部では、生産全体に影響を与える問題がときどき発生します。
- 納期遅延
- コスト超過
- 品質トラブル など
これらの問題は、製造部門や品質保証部門からのプレッシャーを受けることが多く、特に大きな部品や主要素材では責任が重くなりがちです。
トラブル解決のために仕入れ先や社内部門と調整を繰り返す必要があり、精神的な負担が大きくなることがあります。
営業経験を活かせるポイント
次にどんな営業スキルが役立つのか見ていきましょう。
説得力・交渉力
営業職で得た交渉スキルは、調達職のメイン業務である価格交渉や納期調整に直結します。
特に、仕入れ先の営業担当者と交渉する際には、相手の心理や立場を理解しやすい元営業の経験が強みになります。
調達・購買部では、ただ価格を抑えるだけでなく、仕入れ先と良好な関係を築くことも重要です。
調整力・問題解決力
営業職での社内外を調整する経験は、調達職における社内関係者や仕入れ先をつなぐ業務で役立ちます。
たとえば、製造部門や設計部門のニーズを満たしつつ、コストを抑えた提案を行う場面では、営業時代の柔軟な対応力が活きます。
また、トラブル発生時にも迅速な対応力も活かすことができます。
コミュニケーション能力
調達職では、社内の複数部署と連携し、仕入れ先との交渉を行うためコミュニケーション能力が求められます。
営業経験者であれば、人間関係を円滑に進めるスキルを活かして、お互いが納得できる交渉を実現することができます。
実体験で感じた役立つ営業スキル
筆者が実際に体験して感じた、営業経験が活かせるスキルを3つ紹介します。
メンタルの強さ
まずはメンタルの強さです。
営業部門では、お客様を相手に価格交渉や納期交渉、不具合時の対応を行っていますが、調達部門の相手は取引先の営業と社内メンバーです。
そのため営業部門のときのようなお客様を相手にしたストレスはなく、多少のトラブルがあっても「お客様から怒られた時よりマシだ」と思うことができます。
筆者としては、これが一番大きいポイントだと感じています。
スピード感・危機感
営業部門ではお客様からの依頼を最優先で対応し、できる限り早くレスポンスします。
しかし、調達部門ではしっかり価格比較を行ったり納期どおりに部品を仕入れるため、慎重な人が多いのです。
周りがじっくり考えてるなか、営業時代に学んだ『確実かつ素早く動くスキル』が大いに役立ちます。
交渉の予測
営業経験者であれば交渉がどのように進めれば最善か、ある程度予測することができます。
「こう言ったらこう思われるだろうな」といった予測ができることで、購買部門では難しいスムーズな交渉ができるようになります。
調達・購買部門のリアルな年収
調達職の年収は企業規模や業界、職位によって異なりますが、一般的には次のように言われています。
- 中小企業:350~500万円
- 大手企業:500~800万円
実際、筆者が勤めた会社の調達・購買部門の年収はこちらです。
- 一般社員:300〜450万円
- 管理職:500〜600万円
- 一般社員:400〜800万円
- 管理職 :800〜1200万円
- 一般社員:400〜800万円
- 管理職:1000〜1400万円
中手・大手企業の機械メーカーでは調達部門でも高めの給料をもらえていました。
営業から調達へ転職する時の注意点
営業から調達・購買部門へ転職する際に注意すべきポイントは次の2点です。
コスト意識を高くもつこと
淡々と作業するのではなく、どうやったらコストを下げられるか常に考えなければなりせん。
それも取引先が合意しやすい形でコストを下げる方法が望まれます。
「お互いにメリットのある交渉」を心掛けることが大事です。
求人数は多くない
調達部門は営業部門に比べると有名ではありません。
そのため、営業部門より求人数は少なめです。
製造業専門の転職エージェントで比較した結果はこちら。
購買に向いてる人・向いてない人
調達職を目指す際に、自分がその仕事に向いているのか見極めることが大切です。
向いている人の特徴
調達・購買部門がおすすめな人は次の方です。
冷静な判断力を持つ人
調達業務では、いろんな価格条件の中から最適な仕入れ先や条件を判断したり、値上げされた場合はなるべく安く抑えようと交渉することがよくあります。
そのため、感情的にならず、データや状況を基に冷静な判断ができる人が向いています。
コミュニケーション能力が高い人
調達職は社内外の多くの人と関わる仕事です。
そのため、仕入れ先との交渉や社内部門との調整を行うときには、円滑なコミュニケーションが重要となります。
几帳面で細かい作業が得意な人
調達業務には契約書や発注書など、ミスが許されない事務作業が含まれます。
そのため、注意深く、正確に作業を進められる几帳面な性格の人にもおすすめです。
長期的な視点で物事を考えられる人
調達職では、単に安いものを買うだけでなく、品質・納期・サプライチェーン全体を考慮した判断が求められます。
目先の利益だけではなく、不具合発生時のリスクも考え、トータルバランスを考えられる視点が大切です。
調達職に向いていない人
調達・購買部門がおすすめじゃない人は次の通りです。
デスクワークが苦手な人
調達業務の多くはデスクワークであり、資料作成・メールのやり取り・価格データ分析などを毎日のように行います。
外回りやアクティブな仕事が好きな人には、単調に感じることがあります。
人とのやり取りが嫌いな人
調達職では仕入れ先や社内関係者との調整が重要です。
1人で完結する仕事ではないため、社内外の関係構築やコミュニケーションが苦手な人には向かないでしょう。
トラブル対応にストレスを感じやすい人
納期遅れやコスト超過など、調達業務での問題発生は少なくありません。
それに対処しようとなると大きなストレスがかかるので、精神的な負担が大きくなる可能性があります。
営業から調達へ転職成功するための秘訣4選
営業職から調達職へ転職する際に、未経験でも成功するためのポイントを押さえておきましょう。
営業経験を調達職に結びつける
調達職は営業と異なる業務内容ですが、営業経験を活かせる場面も多くあります。
- 交渉力
価格や納期の交渉において、営業職で培ったスキルが即戦力となります。 - コミュニケーション能力
仕入れ先や社内との調整が重要な調達職では、営業経験者の対話スキルが評価されます。 - 課題解決力
顧客対応で培った問題解決能力は、納期遅れやトラブル対応に役立ちます。
こうした営業で培ったスキルをアピールすることで転職をスムーズに進められます。
必要な知識とスキルを身につける
未経験者が調達職に挑戦するには、新たに学ぶべきスキルもあります。
- 基礎的なPCスキル
エクセルや購買システムの基本操作は必須です。簡単な関数やデータ分析スキルを身につけておくと、業務に早く慣れることができます。 - 契約や調達の基本知識
調達業務に必要な契約書や見積書の読み方、QCD(品質・コスト・納期)の管理手法を理解しておきましょう。
これらの知識は、転職面接でもアピールポイントになります。
未経験歓迎の求人を狙う
調達職への転職では、未経験者を対象とした求人を見つけることが鍵となります。
企業によっては「営業経験者歓迎」と明記している場合もあるため、求人内容をしっかり確認しましょう。
製造業界では、営業経験が調達業務と関連性が高いため、選考において有利になることが多いです。
転職エージェントを活用する
未経験からの転職を成功させるには、専門の転職エージェントを活用するのも効果的です。
調達職に特化した求人を紹介してもらえるだけでなく、調達部向けの面接対策のアドバイスも受けられます。
営業経験をうまくアピールできるように職務経歴書の書き方もサポートしてくれるため、転職成功できる可能性が高まります。
購買部に最適なエージェントの特徴
営業職から調達職への転職を成功させるためには、適切な転職エージェントの選択が重要です。
ここでは、エージェントを選ぶポイントを解説します。
製造業界に特化している
調達職は製造業特有の仕事ですので、製造業に特化した転職エージェントを利用すると、求める条件に合致する求人を見つけやすくなります。
また、業界の知識が豊富なキャリアアドバイザーが在籍していることも強みです。
非公開求人が豊富
調達職は、非公開求人として掲載されているケースがあります。
大手企業や好条件の案件は一般には公開されないことがあるため、非公開求人を紹介してもらえるエージェントを選ぶことが重要です。
特定のスキルを持った人だけを面接したい場合や、機密性の高い仕事内容のケースは慎重な採用活動をするため、一般公開されません。
キャリアサポートが充実
職務経歴書の添削や面接対策など、丁寧なサポートが受けられるエージェントは転職成功率を高めます。
未経験で調達職を目指す場合、営業経験のアピール方法をアドバイスしてくれるエージェントが特に役立ちます。
面接では営業で経験したことをどうやって調達へ活用するのか質問されるので、説得力のある回答ができるよう、エージェントを活用しましょう。
実績や利用者の口コミが多い
実際に調達職への転職支援を行った実績や、利用者からの評価が高いエージェントを選びましょう。
特に、製造業界への転職実績が豊富なエージェントの活用をおすすめします。
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購買部への転職準備のコツ
営業職から調達職への転職を成功させるには、職務経歴書の工夫や面接での自己アピールが重要です。
それぞれのポイントを解説します。
履歴書・職務経歴書の作成ポイント
調達職で求められるスキルに関連する営業経験を具体的に記載することが重要です。
たとえば、
- 価格交渉
- 顧客対応
- 課題解決 など
調達業務で活用できる実績を強調しましょう。数字や事例を使って成果を明確に示すと効果的です。
例:「年間XX万円のコスト削減に貢献」や「XX%の納期遵守率向上を達成」など。
面接のポイント
営業職で培った経験がどのように調達業務に役立つかを面接で具体的に伝えます。
たとえば、価格交渉やトラブル対応のエピソードを交えて話すことで、説得力が増します。
これにより、即戦力としての印象を与えられます。
自分だけではどう対策していいかわからない場合は転職エージェントを活用してください。
>>調達部の仕事を見つけやすいエージェントまとめ記事はこちら
まとめ
- 調達部では確実な処理が求められる
- 原価アップの原因を細かく調査
- 営業の立場を理解して交渉できる
以上が営業から調達への未経験転職で必ず知っていただきたいことです。
営業職から調達職へ転職するためには、自身の経験を調達業務にどう活かせるかを理解することが重要です。
求人の選び方や転職支援の活用を工夫すれば、未経験でも調達職への道は開けます。
転職成功に向けて今日から転職活動をスタートしましょう。
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