- 製造業の給料ってなんで低いんだろう？
- 転職先がメーカーなんだけど給料が気になる
- 実際に転職した人の経験談を聞きたい！
製造業の給料は低いと言われていますが実際には『会社規模と業界』によって大きく違います。
本記事では製造業を会社の大きさや業種ごとに細かく分けて給料がどれくらい違うのか徹底解説しています。
中小〜大企業まで勤めた筆者のリアルな体験談も載せてますので、これから製造業へ転職する方にピッタリの内容です。
- 製造業の平均年収は高い方だがバラツキが大きい
- 大手グループでも小手なら課長で年収600万円以下
- 中手や大手なら課長で年収1000万円が見える
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製造業の給料が低い理由とは？業界全体の問題を解説
製造業（メーカー）の給料が低く満足できない感想がよく見られます。
・基本給１６万にその他残業代やら何やらで、月手取り２４，５万。
・ボーナスは去年の夏は８万、去年の冬は１２万
いま勤めている会社は毎年5000円ずつ昇給していくらしいんですが…（中略） …いま基本給が15万円後半ですので30歳前で基本給20万円前後しかないということになります。
実は製造業の平均年収は他の業界と比べても決して低くはありません。
| 2022年業種別 平均年収 | |
|---|---|
| 金融 | 454万円 |
| 製造業 | 453万円 |
| 総合商社 | 446万円 |
| IT/通信 | 436万円 |
| 建設/不動産 | 421万円 |
| 広告メディア | 412万円 |
| 専門商社 | 411万円 |
| メディカル | 400万円 |
| サービス | 366万円 |
| 小売/外食 | 351万円 |
（引用元：doda）
「3K」（キツい、汚い、危険）と呼ばれることの多い製造業ですが、平均年収で見ると全業界では高い方なのです。
平均昇給額についてもこの通り。
- 入社→5年後：＋45万円
- 5→10年後：＋80万円
- 10→15年後：＋58万円
- 15→20年後：＋60万円
- 20→25年後：＋79万円
- 25→30年後：＋35万円
（引用：国税庁令和２年度民間給与実態統計調査結果）
5年間で平均35万〜80万ほどの昇給額がありますが、なぜ給料が低いと言われるのか、主な5つの理由を解説していきます。
年功序列の影響が大きい
製造業ではまだまだ「年功序列」が残っている企業が多く、長く働くほど給料は上がりますが、昇給のスピードが遅いです。
そのため、若いうちはなかなか給料が増えません。
個人の頑張りや成果よりも、在籍年数や上司の評価に左右されやすいことも原因で、給料が低く感じることがあります。
令和4年 25歳〜29歳の業種別賃金比較（月給）平均年収は決して低くないものの、25歳〜29歳では約23万円と他の業種と比べてかなり低い水準となっています。
若い人の給料が低いため、製造業の給料が安いと思われています。
残業代に依存する給与体系
製造業の多くは、基本給が低めに設定されています。
そのため、残業代や休日出勤手当などの「時間外手当」で稼ぐことが少なくありません。
実際、筆者が転職する前の給料はこんな感じでした。
転職前の筆者の年収推移（残業が規制されると減る一方）最近では働き方改革が進み、残業時間が減っているため、収入も減ってしまいがちです。
（引用元：openwork）
ボーナスも基本給の◯ヶ月分と設定されているため、どれだけ手当があっても賞与は増えにくいのが実情です。
評価の基準があいまい
製造業では、仕事の内容がある程度決まっているため、仕事の出来栄えがわかりにくいことがあります。
たとえば、作業ミスをしないのは当たり前とされており、それ以上の努力や工夫が評価されにくいのです。
また、評価の基準がはっきりしていないことも多く、誰がどのように評価されているのかが不明瞭なことも…
（引用元：PR TIMES）
このような状況では、給料が上がる見込みが少ないと感じることが多くなります。
会社による差が大きい
製造業は、大企業から中小企業まで幅広いですが、特に中小企業や下請け工場では、給料が低めに設定されていることが多いです。
一方で、大手企業や主要メーカーでは、福利厚生が充実していたり、高い水準の給与テーブルが設定される傾向にあります。
また、ジャンルによっても平均年収は大きく異なります。
| 2022年メーカー別 平均年収 | |
|---|---|
| タバコメーカー | 769万円 |
| 総合電気メーカー | 545万円 |
| 化学メーカー | 475万円 |
| ゲームメーカー | 452万円 |
| スポーツメーカー | 423万円 |
| 文具メーカー | 400万円 |
| 家具メーカー | 373万円 |
（引用元：doda）
メーカーの中でも規模やどんな製品を扱っているのかが給料に関係しているのです。
スキルアップや昇進のチャンスが少ない
製造業の中には、単純な作業を繰り返すルーティンワークが多い職場もあります。
そのため、スキルアップのチャンスが少なく、給料が上がるきっかけが少ないことがあります。
特に規模の小さな会社では、昇進のポジションが限られているため、どれだけ頑張っても給料が上がりにくいことも…
スキルを高めることで給料アップの可能性はありますが、その機会が限られているのが実情なのです。
高卒と大卒でここまで差が出る？製造業における学歴と給料の関係
製造業で働く人の中には、高校を卒業してすぐ働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人がいます。
この2つの学歴によって、最初の給料や将来のキャリアにどんな違いがあるのか見ていきましょう。
初任給の違い
製造業では、高卒と大卒では最初にもらえる給料（初任給）に差があります。
たとえば、高卒の初任給は約19万円、大卒は約24万円が一般的です。
| 学歴別の平均初任給 | |
|---|---|
| 高卒 | 19.1万円 |
| 高専卒 | 22.0万円 |
| 大卒 | 23.9万円 |
| 院卒 | 27.4万円 |
（引用元：令和５年賃金構造基本統計調査の概況）
製造業では高卒で早く入社し会社に貢献しているにも関わらず、大卒や院卒の方が高給になるケースが多く見られます。
キャリアの進み方の違い
製造業における高卒と大卒では、昇進のスピードにもよく違いが見られます。
多くの会社では管理職やリーダーになるには、ある程度の経験や知識が必要です。
しかし、仕事を長く経験している高卒よりも、大卒の方がこうした役職に就きやすく、早い段階で昇進することが多いのが実情です。
大卒だからといって全てが有利ではない
ただし、大卒だからといって全員が高い給料をもらえるわけではありません。
会社によっては、実力主義が強く、高卒でもしっかりと結果を出せば昇進できる場合があります。
特定のスキルや資格を持っている高卒社員が、現場でリーダーシップを発揮して成功するケースは少なくありません。
学歴以外の要素も重要です。現場での経験やスキルの積み重ね、上司や同僚との良好な関係を築くことも、昇進や給料アップに大きく影響します。
製造業・メーカーで給料を上げる方法
製造業で給料を上げるためには、ただ働くだけでなく、いくつかの工夫が必要です。
ここでは製造業で給料を上げる方法を解説します。
手当をうまく活用する
意外に漏れているのが各種手当です。
《手当の代表例》
- 残業手当
- 住宅手当
- 家族手当
- 出張手当
- 早朝出張手当
- 深夜帰宅出張手当
- テレワーク手当
- 通勤手当
- 資格手当
資格手当は申請忘れが多いため、何か使える資格があれば、ぜひ会社へ申請してください。
資格を取ってスキルアップする
製造業では、特定の資格を持っていると給料が上がることがあります。
- フォークリフト運転資格
- 危険物取扱者
- 玉掛け免許
- 衛生管理者
- エネルギー管理士
- クレーン運転士
- ボイラー技士
- 電気工事士
- CAD利用技術者
- 溶接技術者
- 半導体製品製造技能士
- QC検定
- 非破壊検査
製造業の仕事で活用される場面も多く、より難しい仕事を任されるようになり、昇進することもできます。
資格や技術面以外でアピールする
製造業で昇進するためには、ルーティン作業を淡々とやるだけでなく、積極的に業務改善することが大切です。
たとえば効率化を目指すならこのような提案をします。
- 組立手順の変更
- 作業に使う治具の作成
- PCのマクロ作成
- 既存システムの変更 など
給料を上げるには他の従業員よりも会社に貢献しなければなりません。
特別なスキルや経験がなくとも、自分の関係ある仕事をどんどん改善することで給料アップにつながります。
給料の上がりやすい企業へ転職する
いくら資格を取ったり会社に貢献するような提案をしても、今の会社では給料があまり上がらないケースもあります。
その場合、給料アップするには他の会社に転職するしかありません。
先ほどの会社による差が大きい項目で解説したとおり、製造業では会社によって給料や待遇が大きく違います。
特に、大手企業や主要メーカーでは、基本給やボーナスが高いことが多いのです。
転職をすることで、今の会社では得られない高い給料を手に入れるチャンスがあります。
僕が新卒で入社した150名規模の会社では3億規模のプロジェクトを担当しても昇給はたった1000円。たとえ40代で課長になったとしても年収500万円台という会社でした。転職後は同じメーカー業界ですが昇給1万円もあるので、給料の上がらない会社は早めに辞めて転職してください。
製造業で給料を上げるには転職が有効！その理由とは？
製造業で給料を上げるために転職がおすすめな理由を解説します。
理由1：他の会社ではもっと高い給料テーブルがある
同じ製造業でも会社によって給料は大きく違います。
今の会社での給料が低くても、同じメーカーの他会社ではもっと高い給料を出していることがあります。
| S | A | B | C | D | |
| 1級 | 189,000 | 178,000 | 167,000 | 156,000 | 150,000 |
| 2級 | 229,700 | 218,000 | 207,900 | 199,500 | 190,400 |
| 3級 | 271,800 | 259,000 | 248,700 | 238,500 | 230,000 |
| 4級 | 309,200 | 300,000 | 289,200 | 279,000 | 272,000 |
| 5級 | 350,600 | 340,500 | 330,000 | 319,800 | 310,000 |
| 6級 | 392,200 | 382,000 | 371,300 | 360,900 | 350,700 |
| 7級 | 433,300 | 421,000 | 412,200 | 400,000 | 392,400 |
筆者が勤めたメーカーの一般社員給与テーブル例
特に、大手企業や成長している会社は給料を高めに設定していることが多いため、そういった会社に転職することで、今よりも高い給料を得られます。
理由2：自分のスキルや経験がより評価される
長く同じ会社にいると、その会社の中での評価に限られてしまうことがあります。
しかし、転職すると、自分のスキルや経験が新しい会社で新たに評価されるチャンスが生まれます。
新卒入社した会社では毎年1,000円くらいの昇給しかありませんでしたが、転職先では毎年1~2万円ほど昇給するほど、会社によって評価が全然違うのです。
他の会社では、今の会社では気づかれなかったあなたの能力が高く評価され、それが給料に反映されることがあるのです。
理由3：昇進のチャンスが広がる
今の会社で昇進が難しい場合、他の会社に移ることで新しいチャンスが生まれます。
特に、転職先の会社で管理職やリーダーとして活躍できれば、昇進のスピードが早くなります。
一般的には昇進すれば数10万単位で給料が上がるので、キャリアアップと給料アップが同時に実現できるのです。
成長できる環境で働くことで、長い目で見て自分の市場価値を高めることができます。
製造業でも高収入を得られる！転職で年収アップを実現した事例
「製造業で高い給料をもらうのは難しい」と思う人も多いかもしれませんが、実際には転職をすることで年収を大きく上げられます。
ここでは、実際に僕が転職してきた中小〜大手メーカーの給料をご紹介します。
- 最終学歴は4年生大卒
- 文系理系どちらも含む
- 新卒で入社
- 月の残業は20時間
製造業で働く人のリアルな年収
- 一般社員：300〜450万円
- 管理職：500〜600万円
- 親会社からの出向者（一般社員）：600〜700万円
- 親会社からの出向者（管理職）：800〜1000万円
- 一般社員：400〜800万円
- 管理職 ：800〜1200万円
- 一般社員：400〜800万円
- 管理職：1000〜1400万円
一般社員でも給料がかなり違うのがわかります。
しかも管理職になると中規模〜大規模な会社では1000万円が見えてきます。
しかし、小規模なメーカーの管理職だと500〜600万円ほど。
会社の規模では業務の多さや責任の大きさはそれほど変わらないのに、年収が大きく異なるのです。
製造業で働く人のリアルな昇給額
ここでは実際に僕が勤務した企業規模ごとの昇給額を紹介します。
- 大企業：平均10000円/月
- 中企業：平均5000円/月
- 小企業：平均1000円/月
大手企業のケース
大手企業のその後昇給試験がありそこで合格すると一気に5万円ほど昇給しました。
入社してから数年間は数千円ほどの昇給ですが、昇進テストをクリアしたり、勤続年数が長く役職につくと給与テーブルに従って平均以上の年収になります。
中手企業のケース
中手企業は1~2年に1万円ほど昇給がありました。
ただし、評価制度も待遇も大手企業と小手企業のちょうど間くらいです。
そのため毎年昇給する人もいれば全くしない人もいました。
小手企業のケース
小企業ではほとんどの方が500円とか1000円で役職が上がっても1万円しか上がりませんでした。
給与テーブルはありません。
そのため、社長の一存で昇給額が決まったり、上司の価値観によって評価はかなり左右されました。
転職サイトよりもエージェントの利用がおすすめな理由
転職サイトは自分で求人を探すスタイルですが、転職エージェントでは会社を厳選して紹介してくれるメリットがあります。
ここでは、転職エージェントがおすすめな3つの理由について説明します。
正当に評価する企業に出会いやすくなる
転職サイトでは、求人情報を自分で探して応募しますが、企業がどのような評価制度を持っているかを事前に知ることは難しいです。
しかし、転職エージェントでは取り扱っている企業の評価制度や社風をよく知っているので、あなたのスキルや経験を踏まえて正当に評価してくれる企業を紹介してくれます。
- 評価基準が明確である
- 社長の一存で昇給が決まらない
- 能力評定の仕組みが確立してる
スキルや成果に基づく成果主義の企業や、キャリアアップを重視する企業を提案してくれるため、転職後も自分の頑張りがしっかり評価されやすいのです。
高い給与テーブルの企業を紹介してくれる
転職サイトに掲載されている求人は、給料や条件が幅広く、必ずしも高い給与の企業に出会えるとは限りません。
応募しても期待したほどの年収がなかった…なんてことも。
（引用元：Yahoo!知恵袋）
しかし、転職エージェントでは、企業との強い関係を持っており、エージェントを通して高い水準の給与テーブルを持つ企業の求人を紹介してもらえます。
そうして将来どれくらい給料が増えるのかを事前に知ることができるのです。
給料交渉をしてくれる
転職サイトでは、自分で企業と交渉しなければならないため、給料や条件について話し合うのは緊張してうまく伝えられないことがあります。
しかし、転職エージェントは、あなたの代わりに企業と給料交渉を行ってくれます。
企業が提示する給料の範囲や、どこまで交渉できるかをよく知っているので、より良い給料条件にすることができるのです。
転職後に「思ったより給料が低い」といった不満を抱えるリスクを減らせます。
製造業に特化した転職エージェントを利用すべき理由
製造業への転職は専門の転職エージェントを利用するのが特におすすめです。
以下にその3つの理由を説明します。
製造業に精通した専門的なサポート
製造業では、他の業界とは異なる専門的な知識や技術が求められます。
製造業に特化していない一般的なエージェントだと、こうした業界特有の特徴を知らない可能性があります。
しかし、製造業に特化したエージェントは、製造業のスキルや資格、職種の違いに精通しており、あなたのスキルに合った最適な職場を見つけることが得意です。
製造業といってもさまざまな職種があります。
製造業専門のエージェントでなければ仕事の特徴まで把握できてないことがあります。
あなたの経験が活かせる具体的な製造業の仕事を紹介してくれるのです。
非公開求人を紹介してくれる
製造業に特化した転職エージェントは、製造業界の企業と深いつながりがあり、非公開求人を数多く持っています。
非公開求人は、転職サイトには掲載されないため、通常では出会えない優良な求人にアクセスできるのが大きな強みです。
ある転職エージェントの非公開求人数の割合例競争が少なくより良い条件の仕事に出会う可能性が高いのです。
業界特有の面接アドバイスを受けられる
製造業では、面接での質問内容やアピールポイントが他の業界と異なることが多いです。
たとえば、その企業の歴史や強みを詳しく知っているので、「面接での志望理由はこう言ったほうがいい」というアドバイスを受けることができます。
面接では転職先を志望した理由を必ず聞かれます。でも正直ある程度の待遇であればどこでもいいかと思っていました。そんなときに転職エージェントから面接本番で言えるような具体的な志望理由を考えてくれて、面接当日はスムーズに話すことができたのです。
製造業に詳しいエージェントなら、業界特有の面接対策や、効果的な自己PRの方法を教えてくれるため、メーカー転職の成功率がグッと高まります。
まとめ
- 製造業の平均年収は高い方だがバラツキが大きい
- 大手グループでも小手なら課長で年収600万円以下
- 中手や大手なら課長で年収1000万円が見える
製造業にはどれだけ頑張っても給料の上がらない人が少なくありません。
それはその人が悪いのではなく、働く環境に原因があります。
誠実な会社でなければどれだけ努力しても平均以下の年収にしかならないことも…
そのうち給料が上がると思っていたら全然上がらなかった！という事態にならないよう、優良企業への転職活動を早めに始めてください。
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